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気分も腕も上がる?家庭用包丁の選び方

大抵の家には少なくとも、1本はあるかと思います。
ただ、実際に家にある包丁がどんなものか、ご存じでしょうか。

難しい話は一切なし!

簡単に、家庭用におすすめな包丁がどんなものかお伝えします。
完全初心者向けの解説ですよ。

包丁の種類

大まかに言って包丁には和包丁洋包丁があります。


こちらが和包丁
こちらは洋包丁

細かいことを言えば、和包丁と洋包丁の中でさらに
刀身の形状による分類分けがされています。


和包丁だと出刃包丁なんかは聞いたことあるんじゃないかと思いますね。
他に野菜向けの薄刃包丁、刺身向けの柳刃包丁等々ありますが、家庭では不要なので割愛。

最近だと、どのご家庭も洋包丁を使っているパターンが多いかと思われます。
万能な牛刀やペティナイフが有名でしょうか。
こちらも形状で洋出刃、筋引きなどと分類分けされていますが、家庭では不要なので割愛。

上の洋包丁の画像は三徳包丁と呼ばれる万能型の包丁。
余程のこだわりがある方でなければ、包丁は三徳包丁だけ持っていれば十分です。


これ1本で野菜の大概を処理できる、まさに家庭用として万能な設計と言えます。

最近は何か、家庭用に牛刀をお奨めする記事なんかもよく見ます。
実は三徳と牛刀はそこまで大きな違いはありません。


反り、身幅の広さ、切る際の動かし方など本来は別物なのですが
興味がない方にとっては何か牛刀の方が少し尖ってるかも、くらいの認識でしょうか。

特に近年だと、どっちつかずな形状の三徳、牛刀がちらほら売られています。
ですので、三徳か牛刀かはデザインの好みで選んでも構いません。
気に入った道具を使う方がやる気が出ますからね。

ただ、1本ですべてをまかなうと、切れ味が落ちるのも早くなります。
なので、こだわりのある方は2~3本を使い分ける場合もあるみたいですね。


ですが包丁初心者の方はまず気にならないでしょうから、1本で大丈夫です。
砥石で研いで使うのが正解ですが、研ぎ方なんて知らなくて当然。


研ぎ器が売っていますので検索してみましょう。
切れ味が落ちたな、と思ったら研ぎ器でメンテナンス。


これで満足する切れ味が出ないな~と思ったら砥石での研ぎ方を学べばよいです。

鋼材の違い

普通はあまり気にしないですかね。
包丁に使われる素材としてはステンレス、鋼、粉末ハイス、セラミック等があります。


家にあるのは9割型ステンレス製ではないでしょうか。
比較的低価格で種類も多く、加工・量産しやすいため圧倒的に普及しています。


以下、簡単に特徴を紹介しますね。

  • ステンレス 切れ味〇 持続性〇 錆び難さ〇 研ぎ易さ〇 一般的なだけあり、安定した性能。特徴がないのが特徴かもしれない
  • 鋼     切れ味◎ 持続性〇 錆び難さ✕ 研ぎ易さ◎ 切れ味と研ぎ易さ特化。比較的安価で研ぎの練習にも良い。圧倒的に錆びる
  • 粉末ハイス 切れ味◎ 持続性◎ 錆び難さ〇 研ぎ易さ△ よく切れて、切れ味が続き、錆にも強い。研ぐのは一般家庭では辛いかも
  • セラミック 切れ味〇 持続性〇 錆び難さ◎ 研ぎ易さ✕ 基本的に手入れ不要。他と比べて欠けやすく、自力修復はほぼ不可能

大雑把に言えばこんな感じでしょうかね。

ステンレスの包丁はバランスが取れています。何かに特化していないですが、使いにくいという場面もありません。
誤解されがちですが、ステンレス=絶対に錆びないというわけではありません。


鋼の包丁の切れ味は本当に気持ちが良いレベルのものですが、使いかけで放置とかすると錆びます。
飲食店勤務時代、電話対応をして5分ほどで戻ったはずですが、もう錆が浮いていたくらいです。


粉末ハイスの包丁は切れ味と錆び難さを両立させた、実用性の高い包丁です。
ただまあ、その分、値段も高い傾向があります。硬い素材ですので、研ぎ直しは一般人には難しい。

セラミックの包丁は切れ味、持続性も高いですが錆びません。使ったまま放置しても、素材的に錆びないです。
硬いものを切ると刃が欠けることがあります。そして、欠けた場合は自力での補修は練習しても無理だと思います。

番外的に、割込み包丁というものがあります。
両脇に柔らかいステンレスを使い、真ん中、切り刃に硬い刃物鋼を挟んだものです。


切り刃に鋼を採用したとしても、側面をステンレスで覆うことで錆への耐性も向上させられる実用的な包丁です。
私が飲食現役の頃は、この割込み包丁を愛用していました。


ただ、世間一般に知名度が低く、売れないのでしょう。
作っているメーカーが少なく、価格もやや高めで選択肢は少ないです。


個人的にはお奨めなのですけどね…。
私の好みはさておいて


売れているということは、それは実績と信頼の証です。
初心者であるのならなおのこと、ステンレス包丁一択でしょう。

ただ注意すべきは、どの鋼材を選んだとしても共通なのですが
切れ味持続性は大体において価格に比例します。

あくまでも目安として特徴を記しましたが、使っている鋼材次第で特徴は変わります。
どうせそんなに使わないから、と2000~3000円クラスの包丁を買っても感動は薄いですよ。


目安として最低でも5000円を超えると当たり外れが減ってきます。
7000~8000円クラスにまで手を出せば、ほぼ不満は感じないと思いますが
なかなか違いを実感するのは難しいです。

違いを実感するとすれば見た目くらい。
数年前に流行ったミルフィーユ包丁ってご存じでしょうか?


ダマスカス包丁とも呼ばれるもので、装飾に名前が付いている珍しい包丁です。
牛刀型や三徳型が主流ですので、選択肢には入ってきます。が。


包丁に付加価値を与えて売る、という方向に特化した商品です。
中には良く出来ているものもありますけれど


流行に乗って真似しただけの粗悪品も多いと言われています。
模様をプリントしただけ、あるいはプレスしただけ、みたいな。
判別できない方は手を出さない方がよい包丁です。

一般の方を対象に選び方を書いていますので、
まずは5000円を基準に選んでみると良いと思います。

包丁の長さ

最後はこちら。
形は三徳か牛刀で、素材はステンレスがお奨めですというところまできました。

さて、あなたのキッチンはどのくらいの広さでしょうか。
基本的に、包丁はまな板の長さ(奥行?)を超えない長さのものを選びます。


最初に長い包丁を使って慣れておかないと、技術が上がらないとか聞いたことがありますが
和食の職人を目指しているのでなければ、長い包丁に慣れる必要はないです。

大は小を兼ねると言いますが、狭いキッチンで長い包丁は邪魔なだけでメリットがありません。
キャベツや白菜、大根など、大物野菜を毎日のように調理しますかね?

最低でも15㎝あれば、大抵の料理は出来ます。


15㎝は三徳包丁以下、ペティナイフのサイズになりますが
若い頃の私は15㎝のペティナイフで自炊してました。


まな板を置くスペースすらない、狭いキッチンだったからなんですけどね。
三徳包丁ですと16.5cm~18㎝くらいが妥当なサイズではないでしょうか。


牛刀だと18㎝~21㎝くらい。恐らく家庭で使うなら上限はこの辺になります。

もう1点、ネットでよく見かける指摘。
包丁は通販でなく、実際に手に持って、自分の手に合うものを選べ、と。


気にしなくていいです。通販で買っちゃいましょう。
一般人は持ったくらいで手に合うかどうかなんてわかりませんから。


重心が思ったより前だな、とか。握った具合がしっくりこないな、とか。
この包丁は自分には重いとか軽いとか。使い込んで初めて気付くものです。


仕事で1日中、包丁握ってるプロ以外は、そんなこと気になりませんので。

毎日、お料理されている主婦(主夫)の方で自分は気になるよ、という方。
1週間もすれば慣れますので大丈夫です。

以上のことを総合してまとめると

おすすめの包丁とは

〇種類:和・洋どちらでも
〇形状:三徳型か牛刀型
〇鋼材:ステンレス系
〇価格:5000円~
〇長さ:15㎝~21㎝

ということで結論とさせていただきます。
お付き合い、ありがとうございました。

  • この記事を書いた人
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叶井 拓也

13年間、チェーン店を主に料理長・店長を歴任した元飲食人。 現職はwebライター。会社に雇われない生き方を模索しつつ、 ネットの片隅で活動中。

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