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食中毒について

今更かもしれませんが、
何かと誤解されがちな食中毒について
季節柄、解説しておきますね。

知っているか、いないかだけで
避けられることも多いので。
難しい話はしません。簡単に。

筆者は鶏料理主体の居酒屋歴が長いので、
家庭&お店で気を付けるべきポイントを
そうなんだ~、くらいに知ってもらえれば。
気になる方は参考までにどうぞ。

鮮度は関係ない

よく、素材の新鮮さを売りにしているお店がありますね。
鶏刺しとか提供しているのを見た人もいることでしょう。
地域によって、鶏肉を生食する文化はあります。
でも、新鮮さと食中毒は関係ありません
新鮮だろうが、菌が付いていれば食中毒になります。

表面を炙り、叩きにして安全性を謳うケースもありますが
中心まで加熱されていない場合、菌は死なないので無意味。
表面の雑菌くらいは殺せるでしょうけど、
カンピロバクターサルモネラ菌その程度じゃ死にません

生って、新鮮な鶏肉であれば、やっぱり美味しいのです。
需要があるから、飲食店側も提供を続けるわけですね。
国としても、鶏肉の生提供を規制する制度はないですし。
でも、そこにはやっぱりリスクがあるわけで。

普通、唐揚げを食べて、中が赤味がかっていたらどうですか?
食べませんよね?怖いから
それが何故か、新鮮な地鶏とか言われると
人は疑いなくそれを食べてしまうんですよね。

鶏肉の生食が文化として根付いている地域は、
かなり厳密な検査体制が敷かれていて、事情が違うんです。
都内の普通の居酒屋などで生食メニューを見つけた場合、
最悪の可能性を考慮したうえでご注文ください。

生牡蠣とかわかりやすいですよね。
あんなに当たる人がたくさんいるのに、廃れない。
生牡蠣も同じく、鮮度無関係です。
保菌している生牡蠣を食べれば、採れたてでも当たります。
そこは理解しておいてくださいね。

当然ですが、見た目じゃプロにもわかりません。
食中毒を避けるなら、確実に加熱されたモノを食べること。
それしかありません。

家庭内のケース

鶏肉なんかは手ごろな価格ですから、
ご自宅の食卓に並ぶ機会も多いかと思います。
絶対に加熱調理して食べるようにしてくださいね。

スーパーなどで流通している鶏肉は
現地で加工、冷凍され、店舗で解凍して販売されます。
この時点ですでに鮮度は落ちています。
新鮮さが安全と誤解される理由でもありますが
食中毒菌は時間の経過で増殖していく性質があります。
なので、可能性の話ですが、新鮮なら当たらないかも?
という程度が実際なのですけれどね。

売り場に並ぶまでに、大勢の人間がかかわっています。
人の手を介するほどに食中毒リスクは上昇していきますよ。
必ず、中心まで火が通ったことを確認して食べましょう。

なお、調理の際に手洗いはもちろんされるでしょうけど、
包丁とまな板確実に洗いましょう可能なら漂白も行う。
鶏肉は加熱することで菌を殺すことができますが
菌が付着した包丁やまな板を使って切った野菜などを通して
結局、食中毒に繋がります。

カンピロバクター

鶏肉を介して食中毒になる場合、
大抵はサルモネラカンピロバクターと言われています。

サルモネラは、比較的わかりやすい。
感染して翌日にはすぐ症状が出るんです。
だから、あ、昨日の昼飯!とか察しが付くんですね。

一方、カンピロバクターは感染してから発症まで
潜伏期間がだいたいですが、3日ほどあるんです。
意外と、3日分の食事とか覚えてないですよね?
程度も人によりますので、疲れてるのかな~とか
別の何かと勘違いするパターンもあるのだそうです。

そうすると、お店が原因だった場合、
感染源がわからないので複数の被害者が出続けます。
原因は保管方法なのか、調理ミスなのか、仕入れ先か。
調べなければわかりませんが、調べられない状態。

なので、出先で食べた食事がなんか生っぽいぞ?
なんて時があったら、食べないこと
作り直させるか、残して帰るよう心掛けてください。

余談ですが、鶏や豚は生だとアウトですが
牛に関しては大丈夫なんですよね。

牛は飼育方法等から、中心部は無菌とされているため。
だからレアでも食べられる。
とはいえ、外側はしっかり保菌していますので
生のレバー刺しなんかは正式に禁止されていますけどね。

低温調理を行うことで、生っぽい食感を残したままで
加熱する方法があります。
63℃~67℃くらいの液温を保ったまま適切に加熱すれば
柔らかく、しっとり仕上げることができます。
よく、鶏レバーなどを用いて居酒屋が販売していますね。
慣れればご家庭の鍋でも普通に作れますが、
見極めは普通の人には出来ないのでお奨めしません。
保管も難しいので、ちゃんとお店で食べましょう。

暑さもまだもう少し続くでしょう。
当然ですが、菌はなくても傷んでいれば当たります。
少しでも怪しい食材は廃棄してください。

健康に勝るものはないですよ。

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叶井 拓也

13年間、チェーン店を主に料理長・店長を歴任した元飲食人。 現職はwebライター。会社に雇われない生き方を模索しつつ、 ネットの片隅で活動中。

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