飲食業は、一般企業のような
わかりやすい役職がありません。
店長や料理長はまだ想像が付きますが
それしか選択肢がないの?
一般に馴染の薄い、そうした昇進事情や
選べる選択肢をご紹介いたします。
一般社員~
経験者でもない限り、スタートはここから。
強く希望しない限り、ホールもキッチンも満遍なく
OJTという名の、やりながら覚えろ期間があります。
未経験スタートの場合はこの期間を通して
自分自身の向き不向きを見極めつつ
今後の進む道をある程度思い描くことが大事です。
何でもできて、損することは基本的にないですが
主張をしないと何でも屋として便利に使い倒されます。
責任を負わされることは、ほとんどの場合ないので
それはそれで楽と言えば楽なのですが
給与面では額面30万に届かない設定になります。
一人暮らしなら、別に生活は出来ます。
ただ、どうせなら稼げた方が嬉しいですよね。
賞与がある場合、金額は役職に依存しますので
一般社員に長居すると、得られないものが多くなります。
主任(副店長)クラス~
会社によって呼び名は変わりますが、主任級社員。
店長不在時などに責任者を代行する立場となります。
この立場も、業界内では人気のあるポジション。
ある程度自由に振舞えて、責任者は別に居る状態。
額面給与32~33万で頭打ちになりますが
必要とされている感は得られるので、満足する人も。
店長は一般企業で言うところの課長的なポジションです。
主任だと係長あたりが妥当なところでしょうかね。
会社によって、店長が強いか料理長が強いかは様々。
経営者がどちら出身かで、権力の度合いが変わります。
この主任級社員はある程度、社内政治も必要です。
将来的に上の人間のどの派閥を支持するかも考えておく必要が。
バカバカしいですが、上の顔色を伺わないと
よほど突出した実力がない限り、自動で昇進はしません。
役職者のお気に入りから優先的に昇進するのは飲食も一緒です。
責任者(店長・料理長)クラス~
上手いこと立ち回れば、誰でもここまでは来れます。
店舗責任者クラスですね。
1店舗に両方居ることもあれば、片方だけの場合もあり。
給与は額面34万~40万くらいまでばらつきます。
固定給+実績給という形になることが多いからです。
会社によっては店長の中でさらにS~Cなど
ランク付けすることもよくある印象です。
現役時代の私は店長Aで額面給与37万前後でした。
在籍企業の店長で、ちょうど真ん中くらいが定位置。
実際には月の査定で上位と下位をいったりきたり。
売上を安定させられなかったんですよね。
だから、月ごとの平均を取ると、ちょうど中位だった。
このあたりまで来る頃には、自分の適性がわかります。
大概のことは好き勝手出来ます。
店長であれば営業施策やシフト組みは丸投げされますし
料理長なら仕入れ、メニュー開発などが裁量権を得ます。
このポジションに居座って、独立のための勉強をする人も多数。
給料もらいながら好き勝手やれるのは魅力ですよね。
赤字出ても、自腹切るわけでもないのですから。
そこから先
じゃあ、長職までいったら独立しかないのか?
そんなことはありません。
独立希望者が多いのは確かですけど。
店長サイドであれば、複数店舗を管理する
マネージャー職があります。
エリア長とか地区長とか、言い方は様々ですが。
こちら側で実績を残すと、最終的には本部職があります。
業態部長とか、新店開発部門とかですね。
料理長で言えば、まずは総料理長。
グランドメニューの新規開発や、若手社員の技術研修なども。
本部職としては商品部がありますね。
仕入れ先の選定からかかわることができるようになります。
そのほか、実績があることが前提ですが
総務や経理など、別部門へ進むことも可能だったりします。
会社へ貢献した社員には、ある程度の発言権が出ますので。
よくわからない役職を得て、無駄な派閥を作る古株は居ますね。
スーパーバイザーとか、〇〇プロデューサーとかです。
横文字系の役職は、大概、何してるか不明です。
用があっても捕まらないことも多く、存在が無意味。
古い会社には、だいたい、こういう謎ポジションがあります。
横文字でなくても、事業部長が居るのに統括部長とかね。
権限が不明で、たらい回しにされるので現場的には不要。
基本的に自由
このように、飲食は意外と進路が自由です。
店長が足りず、店長やってもらう前提で採用とか
そういうケースもありますけど。
基本、人手不足なので辞められるよりは
本人の希望を通す傾向が飲食業は強いです。
一般企業よりは、その辺は融通利くと思います。
業態を複数持つ場合など
海鮮は嫌だから焼き鳥業態が良い、とかね。
そういう希望は別にわがままと見做されず通ります。
一長一短ではありますが
飲食も別に悪い事ばかりではありません。
興味はあるけど、迷っているという方。
気楽に飛び込んでみましょう。
やってみないとわからないことは多いですので。
あなたにとって、良い店が見つかることを願って。