飲食店って便利ですよね。
ちょっと駅前なんかを歩けば、チェーン店も個人店も、簡単に複数見つかります。
行きつけのお気に入りのお店があるという方も多いのではないでしょうか。
気軽に使える、選べる飲食店なのですが、安全なお店かと考えたことはありますか?
身近な存在だけに意識して利用することはないかもしれません。
ですが、数多ある飲食店のその全てが、残念ながら信頼できるお店ではないのです。
飲食店では主に食事が提供されます。
食を扱うということは、他社の健康を扱うことと同義と言えます。
ここでは主に危険な例を取り上げていきます。
あなたが通うお店が当てはまらないか、チェックしてみましょう。
掃除がされていない
最も簡単に判別できるのが、清掃状態の確認。
閉店間際の時間帯は別ですが、17時オープンのお店に開店直後に入店したとします。
着席すると、床の目につくところにゴミ。あるいは、テーブルに拭き残しの跡。そんな経験はないでしょうか。
オープン前の時間帯には当然、ルーティンとして掃除も含まれています。
やっていないのか、あるいは本当にルーティンとして手を動かしているだけで確認までは行っていない。
お店側の視点で言えば、スタッフ不足で十分に時間をかけられないというのが実情だろうとは思います。
ですが、ぱっと見でわかるような部分に気を回せないのは危険です。
人間は楽な方に流れる生き物ですから「こんなもんでいいや」を始めてしまうと戻れなくなります。
次第にその「こんなもんでいいや」のハードルがどんどん下がっていきます。
汚れているのが当たり前になってしまうんですね。
ホールがそんな状態のお店が、果たして食材管理をきちんと行っているでしょうか。
私なら疑ってしまいます。
チェーン店であれば、通常は清掃マニュアルがあります。きちんとした会社であれば外部業者を定期的に入れたりもします。
マネージャー職が店舗巡回をして、改善を店舗に促したりもするでしょう。
でも、汚いチェーン店って存在するんです。何故か?
店舗が汚いことを何とも思わない運営本部も存在するからです。
店舗の衛生に金をかけても利益が減るだけ、というのが正しいところかもしれません。
営業すれば、多かれ少なかれお店は汚れます。どうせ汚れるのだから、通常清掃で十分、ということなのでしょう。
こういう会社の場合、マニュアルの有無も怪しいですし、チェック機構は間違いなく機能していません。
そうなると、ますます食材管理が怪しくなってきますね。
先入先出は行われているでしょうか?掃除も出来ないのにやりません。冷凍焼けした肉が出てくる可能性も。
賞味期限の管理は?先入先出が出来なければ無意味ですね。昨日の分を使い切ったら一昨日の在庫が出てきたりするでしょう。
食中毒予防は?生肉切ったまな板で野菜切ったりしてると思います。事故が起きていないとすれば、運が良いだけ。
本来、お店は保健所に食品衛生責任者と防火管理者を届け出ています。大抵の場合は店長名義で、お店に掲出します。
でもたまに、見えるところに掲出されていない店舗があります。
私が以前居たチェーンでも、会社に提出しているのに届け出されていないというケースがありました。
最初に提出したもう会社にいない誰かの名前のまま、ということが少なからずあるのです。
個人店じゃありません。チェーン店ですよ?社員100名以上の。これ、1度や2度じゃありません。
店舗には運営企業の考えが非常にはっきりと出ます。要注意ですよ。
いつも違うスタッフがいる
言い換えれば、固定スタッフが少ないということです。
同じお店に通っていれば、曜日や時間帯にもよりますが大体はよく見るスタッフがいるはず。
それはスタッフ側も同じで、記憶力の良いスタッフなら3回目くらいからあの人だ、と認識します。
別に挨拶などしなくても、あなたのことを認識してくれるスタッフを多く作れるかが大事になります。
あなたが仮に10回同じお店に通ったとして、10回とも別のスタッフだったらどうでしょう。
お店側からしたら、あなたはただのお客さんの1人に過ぎません。初対面ですから、当たり前ですね。
なので、可能な範囲で良いのでお店に行く曜日や時間帯を絞ってほしい。
スタッフはシフト制で出勤しますので、祝日や長期休みが絡まなければ同じスタッフと顔を合わせる可能性が高まります。
すると、スタッフによっては「あ、どうも!」などとその他のお客さんより少し砕けた対応が見られるようになります。
基本、スタッフはお金を稼ぐために働いているのであって、あなたの満足のためには働きません。
しかしスタッフも人間ですから、初見の相手と顔を覚えている相手とでは対応が変わっていくもの。
いつもより焦げてしまっている焼き鳥。初見さんだったらそのまま提供するでしょうね。
でも顔を知っている、よく見かけるあなただったら?キッチンスタッフに焼き直しを頼むかもしれません。
なんだか色味の悪い、鮮度の劣化が隠せないサラダ。よく見かけるあなただから、捨てて自主的に作り直すかもしれません。
目に見えないかもしれませんが、こうした積み重ねで安全が作られていくのです。
従って、曜日や時間帯を絞ってお店に通っているのにいつも違うスタッフがいるお店は危険です。
そのお店の人員事情まではわかりませんが、固定スタッフがいないということは新人ばかりの可能性も高い。
また、極端に離職が多いということであれば、裏側に何か問題を抱えている可能性も否定できません。
場合によっては店長らしき人が居ないお店もあったりします。
しっかりした会社ならば、例え前に出てこなくてもキッチンや事務所などに店長や二番手の社員がいるものです。
ハイペースで出店する中規模チェーンに多いパターンですが、社員不足で店長どころか社員不在の店舗すら実在します。
何かが起きたとして、誰がどうやって責任を負うつもりなんでしょうね?
どちらにせよ、あまり足繫く通うお店ではないように思います。
品切れしない
売り上げを取りにいくなら、品切れは最大の機会損失です。
もちろん、スタッフはその日の売り上げを見込んで仕入れはしますが、イレギュラーはなくせません。
思った以上に売れるのは嬉しいのですが、在庫から考えると厳しい。どうするか?
駅前にはスーパーなんかがありますね。
仕事帰りに買い物に寄ると飲食店のスタッフらしき格好の買い物客を見かけませんか?
予想より跳ねたのか、単に仕入れミスかはわかりませんが、追加の仕入れが必要になったのでしょう。
売り上げのため、お客さんの希望に応じるためには当然のことですけど、ちょっと待って。
企業は企業同士で契約をして、所定の仕入れ先から食材を仕入れます。
価格的な都合もありますが、品質の一定化や安全面の配慮もあってそうしています。
スーパーが危険だなどと批判はしませんが、ちょっとその辺で買い足そうって、そのリスクは考えないお店が多い。
方向性によっては国産にこだわって扱っているお店なのに、外国産の安い食材を買ってしまったり。
県産食材を使った郷土料理を売りにしているはずなのに、切らしたからと他県のもので間に合わせたり。
常連さんが食べたいと言ったからって、本来は扱いのないメニューのために買い物に行く不思議な店長なんかも居ます。
チェーン店において、雇われである店長が積極的にリスクを取りに行くって何の意味があるのでしょう。
個人の希望のために特別扱いをして、もし、その料理で何か体調不良を招いたら?
店にない強い酒を求められ、提供した結果、急性アルコール中毒が起こったら?
リスクに対する意識の低い店は危険なお店と言わざるを得ません。
個人店で自らがオーナーも兼ねてる場合は、基本的に何でもありです。
個人店には個人店の戦略がありますからね。
というか、個人店とチェーン店は全くの別物です。
飲食というカテゴリは同じですがその中身はサッカーと野球くらい違うのではないかと思います。
私のキャリアは9割型チェーン店でしたが、機会があればその辺も触れてみたいですね。
まとめ
いかがでしょうか。
普段は気にしない部分にも、様々な情報が転がっています。
特に食は命にだって係わる重要な部分です。
少しの注意で避けられるリスクは、積極的に避けていきましょう。
・掃除が行き届いた店であるか→汚いのが普通になっていたら危険ですよ。(設備&店舗の老朽化は除く)
・顔なじみのスタッフがいる店であるか→いなければ作りましょう。スタッフが入れ替わりすぎる店は信頼すると危険です。
・頻繁に買い物などしていないか→※品切れは珍しいことではないです。お客さんの言いなりのお店は危険。
※ファミレスに関しては別。グランドメニューについては品切れさせないように徹底管理されています。
以上3点に気を配っていただくだけでも、リスクはだいぶ減らせるのではないかと思います。
これら問題点も、大体は前回記事で触れた飲食業の人手不足に起因するものではあるのですが。
上手に飲食店を使っていきたいものですね。
あなたにとって、良い店が見つかることを願って。