飲食店の使い方

その選び方、正しいですか?

お店側が、あまり自ら発信しないポジショニング。

ポジショニングって何?というお話と、

知ったうえでのお店の選び方を簡単に解説。

飲食店のポジショニングとは

お店をオープンする際、大っぴらにうちの狙う客層はここ!
なんてことを宣言することはありません。
でも、実際に設定されているのがポジショニングマップ。
おおよそのターゲットをこの辺、と定めるものになります。

ですので、ここを間違えると、まず満足は出来ない可能性が高い。
ちょっと考えてみましょう。
安く、早く、お昼を済ませたいのに、コース料理を選びますか?
何かしらの記念日に、立ち食いソバを選びますか?
選ばないですよね。

これは極端な例ですが、どの業態でもポジショニングはあります。
立ち食いソバ屋と、お酒も揃えているソバ居酒屋。
同じソバを扱う業態でも、ターゲットが違うことは明らかです。

焼き鳥1本をとっても、企業が運営する焼き鳥チェーンと、
ミシュランの星を貰うような都心の個人店が同じ価格であるはずはない。

価格やメニュー、内装の雰囲気などで、実は大体、把握は出来ます。
初めて行く場合は、ある種の賭けになってしまいますがね。
そこそこに美味しいと定評のあるお店に訪れたとして、
この店、いまいちだなって思う何かがあるとすれば、
あなたがお店のターゲットから外れている可能性があります。

どういう風に分けられてるの?

わかりやすいのは、メニューの価格帯でしょうね。

ネットで見るだけでも、ある程度判別の助けにはなるでしょう。
そこに示されている一般的なメニューをいくつか見てください。
焼き鳥の例で言えば、もも1本で70円~500円くらいまで差があります。
この時点で、すでに狙った層に選ばれるように設定してます。

安く設定するお店は、普段使いを想定した、会社帰りのグループ狙い。
高く設定するお店は、特別な日のお祝いや接待客獲得を狙っています。
さらにお店のつくりを見れば、団体客を狙ったお店なのか、
1人客を中心に考えているのなども、席の配置から読み取れます。

これを全く考慮しない方が、やはり一定数いらっしゃる。
どう考えても、若い世代中心で、騒がしくなることが予想される渋谷。
低単価のお店に何故か、接待利用の方がいらっしゃいました。
当然、仕事のお話などする雰囲気ではないです。
渋谷・低単価・個室なし。この時点で、想像が付きますよね。
それでも何故か、うるさいから静かにさせろ、とクレームが。

やはり、その場面に適したお店というものがあるんですよ。
大事な接待で、例えば牛角に行きますか?叙々苑がありますよね?
逆も然り。若いグループが叙々苑で飲んで、騒いでをするでしょうか?
当然、牛角に集まりますよね?

ここら辺のマッチングを考えて利用すれば、
お店に滞在している間に、そこまで不満は生まれないはずですよ。

経験を積むのが一番早い

こんなご時世ですから、割と、まだお店で飲むことに抵抗がある。
そんな話も、かつての同僚から聞いたりします。
久しぶりにお店で飲むのだから、失敗したくないと思うのでしょうか。
以前より、些細なことでクレームになるとこぼしていました。

今、普通に営業しているようなお店も、結構、無理してやっています。
アルバイトさんが集まらず、常時社員だけのお店とか。
それすらも出来ず、閉店したお店なんかも多いのが実情ですね。

お店に対してあれこれ言いたい気持ちもわからなくはないですが、
お店選びで失敗しないためには、自分で経験を積むのが最善です。
適当に、下調べもそこそこに近場の入れるお店に入り、
あとはゴネて何とかしてもらおうっていうのは、自分の首を絞めます。
私は店長時代、そういう方を悉く出入り禁止にしてましたからね。

よほど深い関係性が作れているなら別ですが、そうでないのであれば、
いつかは気軽に入れるお店がなくなりますので。

間違いを繰り返しつつ、自分に合うお店を見つけていってください。
あなたにとって、良いお店が見つかることを願って。

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叶井 拓也

13年間、チェーン店を主に料理長・店長を歴任した元飲食人。 現職はwebライター。会社に雇われない生き方を模索しつつ、 ネットの片隅で活動中。

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