普段、あまり良い話を書いていなかったなと思います。
なので、13年も続けていた理由は何だろうと思い返しつつ、
飲食業の楽しさについて触れてみようかと。
あくまでも、私の場合は、という話ですけどね。
成長を実感しやすい
アルバイトで飲食を経験している人も多いかと思うのですが、
初めての頃って、オーダーを受けるだけでもテンパりますよね。
まして、週末のピーク帯なんかだと次々に新規が来店し、
ホールは真っ先に戦場と化します。
どこに案内すれば良いかわからないし、
誰に何を頼まれたのかも自信がない、
カード会計とか頼まれたら最早パニック!
でも、2週間も続けていれば、いつの間にかこなせるようになる。
要領が悪いともう少しかかりますが、やった分だけ身に付くんです。
キッチンにしても同じです。
包丁なんか初めて持った、というくらい料理に縁がなくても、
1ヵ月も続けていれば、最低限の野菜の処理くらいは覚えます。
2ヵ月もすれば、半分くらいのメニューは作れているはず。
下積み期間って、正直言えば、面白いことは少ないです。
でも飲食は、努力した分は経験としてすぐに反映されるんですね。
自分自身の成長が不愉快だ、という人はまずいませんから。
自身を持って働けるようになりますし、結果、仕事が楽しくなる。
面倒見の良いタイプなどは、後輩の指導を楽しそうにやります。
頼られるのが嬉しいという子もいますし、こういう職場は人気が出ます。
毎週のようにバイト希望者が連絡してきたり、なども珍しくない。
他人に関心の薄い、個人主義ばかりが集まるというケースもありますが、
それはそれで各自が負けず嫌いの場合が多いので、人が離れにくい。
頭数は増えませんが、少数精鋭のチームが出来るのでやはり強い。
いずれにしても、成長が実感できるのが楽しいのだと思います。
成長し、信頼されるようになったら、嫌な気はしないものですから。
すぐに結果がわかる
仕事に慣れたら、そこから先は惰性になってしまうケースも多いです。
でも、飲食は小さな目標を立てやすい環境にあるのです。
可能なエリアであれば、新規客獲得を目標に呼び込みをしてみる。
それらが出来ない地域なら、リピーター獲得を狙った施策もあります。
何か手を打ち、1週間もあれば、その結果がすぐに確認できる。
これはやりがいに繋がることですから、楽しさの1つと言えるでしょう。
アルバイトレベルの話をしていますが、社員にしても同じです。
人件費がオーバーしているなら、人を削るか売り上げを伸ばすかしかない。
それに対し、どのようにアプローチして差額を埋めるか。
原価率を落とすなら、仕入れを失くすことは出来ませんから、
多く抱えている食材をロスにせずに、きちんとお金に換える施策が必要。
打ち手は1つや2つじゃありませんから、試行錯誤はいくらでもできます。
毎日の売上にも反映されますし、日ごとに数値化も出来ますね。
出た数字を見ながら、ああでもないこうでもないと言い合いするのもよし。
こんな手はどうかと、言い合いから何かが浮かぶこともあります。
いつも都合よく物事が進むわけではありませんが、
こうしたやりとりが楽しいのではないかな、と私は思っています。
自分の意志で方向性は決められる
私は、大手と言われるチェーン店には所属していません。
決まりごとや慣習が多く、とても楽しそうには思えなかったから。
中小チェーンは、確かに杜撰で、呆れるほどに非効率な面もあります。
その一方で、店舗裁量が大きく、長職に就いてしまえば自由なんです。
もちろん、結果は求められますけどね。
命令されて、忠実にそれをこなすのもプロとしては素晴らしい。
ただ、飲食の人間に、そういうタイプは珍しいです。
口に出さないまでも、独立志向の強い人間が多いですから、
みんな好き勝手、思うようにやりたい人間たちが圧倒的多数。
なので、中小の居酒屋チェーンなどは潰れずに大手に対抗できるんです。
安心や安定を望む人間は、大手へ入社して堅実な歯車になりますし、
独立志向組は中小チェーン、あるいは個人で店を作り対抗策を考える。
一口に飲食店と言っても、その環境で働き方は大きく変わってくる。
それを自分で選べるのも飲食くらいではないでしょうか?
ご存じの通り、飲食業界は常に人手不足ですから。
大手と言っても、他業界ほど入社は高いハードルではありません。
大抵の場合、元大手勤務の社員が近場にいたりするものですから、
やろうと思えば人事の人間とコンタクトを取ることも出来るので。
決まったことをこなして、それが安心という人には向きません。
客商売ですから、基本、イレギュラー対応は付き物ですし。
ただ、私もそうですが、独立心が強い人には楽しめる要素が多い。
雇われでも自分の店感覚で、主体的に動かすことが出来ますからね。
興味がある方は、今後の経験として気楽に始めてみましょう。
出入り自由な業界ですから、しがらみなどありません。
経験した分は身に付きますし、無駄にはならないと思いますよ。